お祭り大好き!【前編】河内音頭は河内住民のスピリット 。

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お祭り大好き!【前編】河内音頭は河内住民のスピリット 。河内音頭は河内住民のスピリット
一節聞いたら畷住いの喜び間違いなし!

河内音頭は河内家菊水丸の活躍などで全国的にも知られるようになったが、
ここ十数年来、その総体的に人気は凋落しているといってよい。
河内音頭のステージである盆踊り会場の中央に置かれる櫓の数が、減っているためだ。
昔は夏のイベントといえば盆踊りと決まっていたが、
主催する町内会の弱体化(人材や財源)のため、
盆踊りそのものが開かれなく傾向になってきている。

それでは、年に一度、河内音頭のメロディを堪能できる楽しみがなくなってしまう。
唄う場所がなくなれば音頭取りの後継者もいなくなってしまう。
北河内〔四條畷〕の大事な伝統文化が消えていってしまうではないか!

正統の河内音頭を唄う「亀一流安丸会」にぐりぐり二重丸
肌に染み付いた歌声を、肌で聞け

いやいや、そんな心配は無用だ。
四條畷には伝承河内・江州音頭<注1>を守り続ける六代目「歌亀」、
「三代目吾妻家安丸」こと矢寺克高さん率いる「亀一流安丸会」(2000年結成)が、
地元河内音頭を盛り上げるべく、頑張っているからだ。

矢寺さんの「お仕事は?」と聞かれて、「河内音頭の音頭取りです」
と公言することもあるくらいの情熱とユーモアのセンスが入った方なのだ。
単なる同好会的な活動をしているのではない。

矢寺さんの血筋は親父さんも伯父さんも櫓で美声を披露した音頭取りの家系で、
子供の頃から河内音頭の節が皮膚感覚で染み付いている正真正銘の
KOS-DNA<注2>を持った音頭取りなのだ。

お世辞抜きに男前(イケメンなんて軟弱な表現は似合わない)で、
空手もやって鍛えた身体から出るディーゼルエンジンのような
豪快な美声は、聞く人の鳥肌を立たせる。
しばらく聞き続けると、このパワフルな声は耳だけでなく、
地肌からも伝わってくるような気がする。

「高い声がもっと出せたらな~」「高い声の方がうらやましい」とも云われる。
しかし、稽古場で聞かせて頂いた私の心にはマイルドに届いた。

それは、子どもの頃からの練習で培った、肌に染み付いた節回しのなせる技なのであろう。
ちなみに「踊り子さんを盛り上げる情熱は一番!」と矢寺さんは胸を張る。
なんでも歴代の音頭取りはナメクジを飲み込んで声が良くなる練習をしたそうな。

ナメクジに何の効果があるかは分からないが、
そんなことまでしてでも良い声を出したかったという音頭とりの気概は充分に伝わってくる。
さすがに矢寺さんは飲んだことないそうだ。

<注1>河内音頭あれこれ
今回ご紹介した「亀一流安丸会」が行っているのが、伝承河内・江州音頭というもの。
もともとこの地域には「歌亀節」があったが、
戦後は近江商人が行商の宣伝(今で言うならヒップホップ風CMソング)
に使っていた江州音頭が人気を集め、
現在はこの曲をベースに、河内各地で独自の河内音頭が生まれた。
河内音頭といっても北、中、南の河内で歌われる歌詞、メロディは異なる。
ミリオンセラーとなった「鉄砲節」もその派生の一曲。
「歌亀節」を歌っていた五代目歌亀が自身の歌だけにとどまらず、
聞く人のために幅広く歌って生きたいと
江州音頭の初代吾妻家安丸に弟子入りし、二代目安丸も襲名。
そして、2006年。矢寺さんが六代目歌亀、三代目安丸を襲名した。

<注2>KOS-DNA
正式名称はKWACHI-ONDO-SUKKIYANEN D.N.A。
河内音頭をこよなく愛する遺伝子。河内生まれの記者による命名。
どんな状況でも、河内音頭のメロディが聞こえると、不機嫌な人は機嫌が良くなり、
赤ん坊は泣き止み、女性はヒステリーが治まる。

河内音頭の聞こえてくる方向に集まり、音頭取りは力尽きるまで唄い、
聴衆は明日の腰痛など省みず、踊りださずにおられない。

河内生まれの者は男女を問わず、たいていこの遺伝子が組み込まれている。
その遺伝子の構造は謎とされているが、
過労で疲れきっている人々の心のセラピーに効果が認められる。
今のところ、医学学会はこの存在を否定しているが、
現場の熱狂を体験すれば肯定せざるを得ないことは間違いない。

※後編につづきます

(特派員 大森正明)

 

              

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